コロナ禍で、パン職人(利用者)たちの日常が大きく変化した。
イベントの中止や、販売先の減少だけではなく、プライベートでも水泳大会やダンス・ピアノの発表会、マラソン大会など、その日を目標に頑張ってきた余暇活動の多くが中止となってしまった。 それ以外にも趣味のコンサートやカラオケ、そして楽しみにしていた帰省までも影響を受けた。 感染リスクを考え、密を避けるために休業や、短時間勤務の選択肢もあったが、家族からも「休みになっても行く所もなく、家にいるしかない」との声。年齢が若く、体力十分なパン職人たちは、ゆっくりしすぎると寝つきが悪くなったり、生活リズムが崩れがちになってしまうことが多い。 いろいろ考えた末、せめて「ピケマルシェ365日」は変わらない日常を維持しようと、特に休みは設けず開所することにした。 夏のパン作りは、気温の高さに加え、200~300°のパン窯2台ある中で行うので、暑さとの戦いになる。更にパン生地は高温では発酵がすすみ短時間で過発酵になってしまうので、分割、成形は手早く作業しなければ美味しいパンが作れない。生地の柔らかさ、発酵状態に応じて、早さも求められるため、職員も含め皆汗だくになってしまう。エアコンを朝からフル稼働し、水分を多量にとって、パンの焼きがひと段落するとようやく皆でほっとする。ちょっとした仕事の合間に、パン職人たちは窯の熱がない一番涼しい店舗に行って涼んでいたり、焼いたパンを冷ますために回している扇風機の風にあたっていたり、エアコンの風が来ることころにいたり、時には冷蔵庫を開けて顔を突っ込んでいたりする。(笑)誰も声をかけたわけでもないのに、仕事の流れに沿って合間が分かり、どうすればより涼しく過ごせるかを体感でとても良く分かっている。 誰一人体調を崩すこともなく、猛暑の夏を乗り越えられたことに感謝しつつ、パン職人たちの底力と可能性を感じた夏。これならきっとコロナ過も乗り越えていけるに違いない。
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April 2021
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