近年「物価高を上回る賃金の上昇」が提唱され、毎年最低賃金が見直されている。
生活に欠かせない食料品や、消耗品の値段が上がっている現状では、当然そうあるべきであるとは思うのだが、一方で扶養範囲内で働くことを希望している方が多い職場では、時給が上がればその分だけ、働ける時間数が少なくなってしまうという壁にぶつかる。 また、一般的には経験年数が多ければその分時給が高くて当然なのだろうと思うが、ここでも前述同様の壁がはだかる。 当事業所の利用者さんは皆、知的障害を有しており、重度の自閉症の方から軽度の発達障害の方までかなり幅があり、個性的な方が多い。彼らの個性を理解し、それに応じた支援ができているか、日々振り返りはしているが、支援のスキルアップは容易ではない。 経験年数があり支援スキルが高い職員ほど時給が高くなれば、働ける時間数が減り、積み重ねた支援スキルを発揮できる日数が減ってしまう。それを補うために、新たに職員を採用しても事業所全体としてのスキルは下がってしまう。 それが利用者さんにとって、どうなのだろうと疑問を感じる。人に慣れるまでかなり時間とエネルギーを必要とする彼らにとっては、それが良いことなのだろうか。 そんな葛藤を抱えているのは私だけではないのではないかと思う今日この頃である。
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