ピケマルシェ365日では現在
常勤3名、パート5名が仕事をしています。 パン職人の紹介シリーズにつづいて、 ともに働く職員をシリーズで紹介していきます。 「Oさん」 物静かでいつも穏やかな伝え方ができる、柔らかい雰囲気が持ち味のOさん。 プライベートでもパン教室に通って勉強するなど、パン作りの基礎知識があります。 二人の自閉症の方の保護者でもあり、どんな状態の時でも、 凛としていつもと変わらずパン職人に接することができる芯の強さももっています。 パン職人に伝わりやすいように、短い言葉を使い、そっと姿勢を直し、手を差し伸べる、 そんな支援が自然にできるOさんは、皆が大好きな職員です。
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重度の知的障がいを伴う自閉症である私の子どもは、自分の限られた要求、気になる予定の確認、
日常生活上のあいさつ程度を単語レベルで発する以外は、ほとんど会話ができない。 自分が経験したことがないことは、言葉で聞かれても理解も想像も難しいので、 「好き?嫌い?」「したい?したくない?」「どっちがいい?」などど聞かれても、 自分の気持ちや意思を伴って答えることはとても難しい。 自閉症特有のパターン行動や、オウム返し、こだわりもあるので例えば病院で医師に 「調子はどうですか?」と聞かれると「どうですか?」とそのまま元気に返事してしまう。 日常生活でもおやつに「りんご食べる?せんべい食べる?」と聞くと、本当はりんごを食べたいのに 後半に聞いた「せんべい」の言葉が印象に強く残り、「せんべい」と答えてしまうこともある。 また、いつも行くスーパーで買い物すると、毎回買ってもう飽きてきているおやつでも、 声をかけずにいると同じ物を毎回選んでしまうこともある。この場所ではこれを買うというパターンにはまり 自分では抜け出なくなってしまうのである。本人が選んだ物でも、意思とは異なることが多々ある。 成長過程で、小学校、中学校、高校、そして卒業後の進路、就職、生活の場と本人の人生を左右する大きな選択を迫られることが幾度となくあるが、自分で「こうしたい。ここに行きたい」と伝えることが難しい当事者の保護者は、 今までの本人の様子や育った過程を振り返り、きっとこの選択があっているだろうという感で 選択をしているというのが現状ではないかと思う。 「それは本人の意思・選択ですか?」と聞かれたら、「本人の意思は私にはわかりませんが、 多分本人に一番合っているのではないかと思い私が選択しました」と答えるしかありません。 その選択がどうだったか、本当にあっているのかを常に気にしながら過ごしている。 支援者として、大きな選択の場面に立ちあった時には「それは本人の意思・選択ですか?」と問うのではなく 「本人にとって意思に沿う選択になるように、一緒に考えていきましょう」そう伝えられる支援者でいたいと思う。
嬉しいことに今年度の職場実習を通して、共に過ごした養護学校の学生さんが来年度、 新たに仲間として加わることになりました。 実習中は初めてのパン生地の扱いに戸惑ったり、緊張で成形の手が震えたりしていた学生さんたちが、 日々の作業を通してどんな成長を見せてくれるのか、今からとっても楽しみです。 幼少から学生時代は、6年や3年ごとに環境が変わり、その都度新たなスタートとなりますが、 卒業後の進路先は、18歳以降の長い人生を過ごす場として、 本人も家族も迷ったり悩んだりしながら大きな選択を迫られることになります。 ですから反省会では実習を通して見えた本人の強みだけではなく、 課題や難しさも含めて率直にお伝えするように心がけています。 また当事業所の理念も知っていただきたい大事なポイントなので、合わせて説明しています。 その上で進路先として選択していただいた重さと嬉しさを感じ、職員として身が引き締まる思いです。 パン屋をオープンしてまだ2年という事もあり、 まだまだパン職人の仕事に見合った工賃を支払うことができていません。 更に工賃のアップを図るため、またパン職人の個性を理解し更にきめ細かい支援ができるよう、 来年度の常勤職員採用を決定し、募集を開始しました。 採用人数1名。 現在常勤3名、パート5名の職場ですが現在まで離職者はいません。 興味のある方は詳細をお伝えしますので、ぜひご連絡下さい。 ピケマルシェ365日が開所して丸2年。先日初めて賞与を支給することができました。
パン職人の皆さんは、週1回の早番も含め、とてもまじめに一生懸命仕事に取り組んでくれます。 パンや焼き菓子の製造、販売が主な仕事ではありますが、それ以外にも多量の洗い物や、 作業場の掃除、材料の買い出しなど根気や体力が必要な仕事が毎日たくさんあります。 どの仕事でも皆気持ちよく引き受けてくれる、その姿勢には私たちが見習わねばと思うことが少なくありません。 決して十分な工賃を支払っているとは言えない現状の中で、 少しでも補える賞与の支給は職員全員の念願でもありました。 毎週のように注文してくださるお客様がいたり、 コロナ禍の中でも販売を継続してくれる販売先があったり、 ロスパンをサイトを利用して購入してくださるたくさんのお客様がいたり・・・ 皆様のお陰で念願の賞与の支給ができ感謝の気持ちでいっぱいです。 12月25日、クリスマスの日にパン職人ひとりひとりに手渡しました。 それまで内緒にしていたので当日は皆「えっ」という表情でしたが、 手にするととっても嬉しそうな表情で、大事にリュックにしまっていました。 帰宅後喜んで家族に報告したり、いつか行きたい旅行のために貯金したり、 自分でATMで入金したり、好きなものを食べたりと、それぞれの使い方ができたようです。 またこんな機会を提供したいなぁと強く思った1日でした。 多くの方に支えられていることを実感しながら、 これからも今まで以上にできる努力を職員一丸となってしていきます。 これからも素敵なパン職人たちと共にピケマルシェ365日をどうぞよろしくお願い致します。 |