パン生地は、いろいろな種類の小麦粉、バター、自家製発酵種、砂糖、塩、生地に応じたイースト、
脱脂粉乳、水など様々な材料をミキシングして作る。 横須賀産小麦粉を含め、小麦粉だけで5種類。 そのほかに塩とグラニュー糖、ドライイーストとサフセミドライイーストなど見た目が似ている材料がたくさんある。また材料のうちそれぞれ、冷凍庫保存、冷蔵庫保存、常温での保存が必要なものがある。 小麦粉は千単位、塩やイーストは数グラムから、数十単位と材料によって計る量は異なる。 塩が少しでも多いと、パンに色がつかず固くなってしまう。 イーストが少ないと発酵がすすまず饅頭のようになってしまう。 どれかを間違えてしまうと、それに含まれている材料を全て廃棄、無駄にすることになってしまうのである。 またいつもと違うことに気が付くのは、大体焼く前の二次発酵の時なので、 ここから計量をし直し、再度生地を作り始めても、開店や納品に間に合わない事態が生じる。 毎日パン職人(利用者)が行っている計量は、実はパンの要、とても大事な作業なのである。 視覚的に分かり易いように、タッパーの蓋に材料名とグラム数を書いたタグを貼り、 それを確認しながら計量をしている。数字は得意で、正確に計ることができる方が多いが、 それでも途中でレジに立ったり、材料がなくなって補充したり、何らかの事情で間違いが生じることがある。 職員は、計量が正確にできているか細心の注意を払ってその様子を見守り、再確認をする。 アンテナを張り巡らし、困ったり、迷ったりしている様子がないか、文字と材料があっているか、 いつも以上に気を張る時なのである。
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ピケマルシェ365日に通所しているパン職人(利用者)は、
全員が障害者基礎年金を受給している。 現在は全員が自宅から通っているので、すぐに経済的に困ることはない。 しかし、いつかは親元から離れ、それぞれに合った暮らしを築いていかなければならない。 「親なき後」も生活を維持するためにはどうすれば良いか、 保護者であれば誰もが不安に思っている大きなテーマである。 もしグループホームでの暮らしを選択した場合を例にとると… 家賃で月60,000~70,000円、食費、光熱費で月30,000~35,000円とするとこれで年金は消えてしまう。 むしろ足りないくらいである。洋服も欲しいし、たまには余暇や旅行も楽しみたい。 そんな当たり前の生活を送るためには、それを賄える工賃がなければ生活が維持できないのである。 親はいつまでも健在でいるわけではない。 私たち支援者はこの現実を受け止め、彼らの仕事に見合った、 生活を維持できるだけの工賃の支払いを目標に、あらゆる努力をしていかなければならないと思っている。 それぞれがどんな暮らしを望むか、それもまた大きなテーマとして、彼らから情報を得ていきたい。 パン屋の経営は難しい。
同じ商品だけでは飽きがきて来客数が伸びないし、 新商品を出すと今までの定番商品が残ってロスに繋がってしまう。 新商品を出した分、販売個数が少ない商品を減らすか? でも減らした商品を楽しみに買いに来られるお客さんはがっかりするのでは? そんなことをグルグル考えてしまう。 就労継続支援B型事業なので会計基準からすると、 売り上げ額から全ての必要経費を引いた残額でしか パン職人(利用者)の工賃を支払うことができない。 少しでもパン職人の工賃アップを図るためにどうするかを職員全員でいつも考えている。 「注文を増やそう」ロスを出さない方法の一つは、注文を受けること。 これなら新商品も、今までの定番も含めて、ロスを出さずに作れる。 ホームページで商品をアップしPRをしたり、注文をしてもらえそうなところにこれからどんどん声をかけていこう。 ピケマルシェ365日が開所して、もうすぐ2年が経とうとしています。
昨年は余暇活動として、カラオケと日帰りバス旅行に行きました。 カラオケではお母さんの年代がよく聞くであろう歌手や歌をとても良く覚えている人、 普段より高い声で上手に音程をつかんで歌う人、ポケモンの歌が大好きな人、 流行の歌をとても良く覚えている人など、普段とは違う新しい発見がたくさんあり、 皆で楽しい時間を共有することができました。 バス旅行では、旅行先の名所や地理など前もって自分なりに調べて楽しみに参加された人、 お土産をとても楽しそうに笑顔で選ぶ人、食事以外にパーキングエリアで美味しいものをたくさん食べた人など、 皆の笑顔をたくさん見ることができました。 余暇活動は、様々な経験をし楽しい時を過ごすことが目的ではありますが、 それ以外にもパン職人のことを幅広く知ることができる貴重な機会になります。 普段仕事を通して見る以外の、言動、表情がたくさんあり新たな発見が得られる場なのです。 泊を伴う旅行は、パン職人は男性が多く、職員は女性が多いので、入浴の対応をどうしようか? 夜の部屋割はどうしようか?また、今年の最大の懸念であるコロナ対策をどうしようか? など準備が必要なことがたくさんあり、泊を伴う社員旅行はとっても迷いました。 でもでもやっぱりそれ以上に温泉に入ったり、美味しい物を食べたり、 旅行ならではの乗り物に乗ったりしたときの皆の表情、様子を見ることが楽しみ!! Go To キャンペーンを利用して楽しむチャンス!! 「一生懸命仕事をして、余暇もめいっぱい楽しもう」そんな話を皆でしながら、 11月に開所2周年のお祝いとして、2泊3日の社員旅行を決定しました。 貸し切りバスで、テーマパークと温泉に行く予定です。 旅行の様子はまた報告できたらと思っています。 わくわく、ドキドキで過ごしています。 コロナ禍で、パン職人(利用者)たちの日常が大きく変化した。
イベントの中止や、販売先の減少だけではなく、プライベートでも水泳大会やダンス・ピアノの発表会、マラソン大会など、その日を目標に頑張ってきた余暇活動の多くが中止となってしまった。 それ以外にも趣味のコンサートやカラオケ、そして楽しみにしていた帰省までも影響を受けた。 感染リスクを考え、密を避けるために休業や、短時間勤務の選択肢もあったが、家族からも「休みになっても行く所もなく、家にいるしかない」との声。年齢が若く、体力十分なパン職人たちは、ゆっくりしすぎると寝つきが悪くなったり、生活リズムが崩れがちになってしまうことが多い。 いろいろ考えた末、せめて「ピケマルシェ365日」は変わらない日常を維持しようと、特に休みは設けず開所することにした。 夏のパン作りは、気温の高さに加え、200~300°のパン窯2台ある中で行うので、暑さとの戦いになる。更にパン生地は高温では発酵がすすみ短時間で過発酵になってしまうので、分割、成形は手早く作業しなければ美味しいパンが作れない。生地の柔らかさ、発酵状態に応じて、早さも求められるため、職員も含め皆汗だくになってしまう。エアコンを朝からフル稼働し、水分を多量にとって、パンの焼きがひと段落するとようやく皆でほっとする。ちょっとした仕事の合間に、パン職人たちは窯の熱がない一番涼しい店舗に行って涼んでいたり、焼いたパンを冷ますために回している扇風機の風にあたっていたり、エアコンの風が来ることころにいたり、時には冷蔵庫を開けて顔を突っ込んでいたりする。(笑)誰も声をかけたわけでもないのに、仕事の流れに沿って合間が分かり、どうすればより涼しく過ごせるかを体感でとても良く分かっている。 誰一人体調を崩すこともなく、猛暑の夏を乗り越えられたことに感謝しつつ、パン職人たちの底力と可能性を感じた夏。これならきっとコロナ過も乗り越えていけるに違いない。 ピケマルシェ365日は、パン職人(利用者さん)が重度の障がいを持った方がたくさん通所している、就労継続支援B型事業所です。
得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌いなこと、私たちもひとりひとり違いますが、パン職人も個性の幅がとても広いです。障がい特性に起因する要素もありますが、様々な経験の少なさから苦手、あるいは嫌いと思われていることも多いように感じます。 ・ベタベタした感触が苦手で、最初はパン生地に触るだけで手を洗っていた方が、数日のうちに丸目ができるようになり、さらには職員がそばにいなくても成形を任せられるようになる。 ・指先に力が入れづらく綴じ目に介助が必要な方が、食パンの成形は余分な力が入らない分生地を傷めずに上手にできる。 ・クリームの泡立てが得意。 ・肉は焦がさずいつも同じ焼き加減で炒められる。 ・みじん切りが早くて細かくできる。 など、様々な仕事を経験することで、普段の様子からは想像できない「できる。得意」を発見することがたくさんあります。 普段の生活ではすることのない経験もしてみる、挑戦できるそんな職場でありたいと思っています。 そしてもう一つ大事にしていることは、パン職人と一緒に作った商品をお客様にお届けするという事。 販売や、イベント出店など日曜日、祝日の出勤になる事もありますが、無理のない範囲で出勤をお願いしています。 職員だけで作った商品は販売しません。イベントにも、販売にもいつもパン職人と共に出かけます。 自分たちが作った商品を、直接お客様に販売する場はとても貴重な社会経験となります。地域の方にもいろいろな場を通して、パン職人が仕事をしているパン屋があることを知っていただけたらと思っています。 ホームページ作成しました!!
OPENから1年半経ち、ようやく皆様にメニューとともにいろいろなお知らせができるようになりました。 これからピケマルシェ365日での出来事やパン作りの様子、新メニューなどどんどん発信していけたらと思っています。 よろしくお願いいたします。 |